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首相官邸へ珍客尼僧【1936.6.12夕 読売】

新潟県の学林に学ぶ尼僧20名が首相官邸日本間の前に現れ、犬養毅ら凶変に斃れた人々の回向かたがた悪魔退散を祈った。

首相官邸へ珍客尼僧
例の日本間に“悪魔退散”の誦経


十一日の十一時半ごろ、三たび〔原文ママ〕衂られていま廃屋となつてゐる首相官邸の日本間の鉄扉の前に飄然とうら若い尼僧廿名があらはれておどろいて飛出した守衛や巡査を尻目に『爾時無尽意菩薩』と珠数つまぐりながら約卅分間、お経をあげ『悪魔退散!』を祈つてひき揚げた、この尼僧群は新潟県小出町〔現・魚沼市〕にある曹洞宗尼僧学林の生徒達で、廿歳前後の尼さんの卵この朝世田谷区深沢町の宿舎を出で林長中村嶺道尼(五一)につれられて訪れ、兇変に斃れた犬養〔毅(1855-1932)〕首相、松尾〔伝蔵(1872-1936)〕大佐以下殉職警官の回向かたがた悪魔退散を祈つたものであつた

【写真はその尼さん達】

読売新聞 昭和11(1936)年6月12日夕刊・2面

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