鶏のなき声で死体発見【1933.5.19 東京朝日】
東京・向島で職工が行方不明に。周辺住民の習慣で鶏をたらいに載せて北十間川を流し、鶏の鳴いた場所の川底を探すと、職工の死体を発見した。
鶏のなき声で死体発見
十八日午後二時頃、向島区〔現・東京都墨田区〕吾嬬町、東洋モス工場前の北十間川から、去る十五日夜<よ>泥酔して墜落した同町東一ノ一〇七、日東製氷職工、樫野加藤治(四七)の溺死体を発見した、同人の家族は妻と二十歳になる息子、十六日から行方を捜索中だつたが、どうもこの川筋が怪しいといふので、河岸<し>に住む人達の習慣で十八日、タラヒの中に鶏を一羽載せ、これを川に流して鶏のないた下に死体があるものと捜してゐると、丁度ないた下の川底から死体を発見したものである。
東京朝日新聞 昭和8(1933)年5月19日・11面
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