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東京駅の無縁仏大供養【1930.11.26夕 東京日日】

東京駅で線路の補強に入れた砂利に墓石が紛れ込んでいた。それ以来、脱線や飛び込み自殺があり、宿直員が幽霊に悩まされるという噂が立ったので、墓石を野球場に移した。すると、駅員がそこで足に負傷。さらに大きくなった騒ぎを聞いた僧侶により東京駅のホームで供養が行われた。

東京駅の無縁仏大供養
帝都大玄関に転げてゐた墓石

帝都の玄関、大東京駅の山手線、京浜線電車ホームと列車の到着ホームとの間、神田駅によつた末端に

三年前 新橋保線事務所が線路をかためるために入れた砂利の中に墓石が一個まじつてゐたがこゝではそれ以来電車が脱線すること二回、とび込み自殺二回、宿直員は幽霊に悩まされるなどの噂が立つて駅でもおじ気づき芝浦〔東京都港区〕の野球グラウンドの一隅に移してやれ/\安心と思つてゐるとその翌日東京駅員がすべり込みの際

右足を 骨折してしまつたのでいよ/\かついでゐたところ芝増上寺に集まつてゐた全国の僧侶連がたま/\これを聞き東京駅に浄土宗黒谷金戒光明寺大僧正郁随園〔郁芳随円(1867-1945)〕台下以下卅三人が吉田〔十一(1870-1947)〕駅長を訪ひ供養を申し出たので駅でも大いによろこんで御願ひすることとなり廿五日午前九時から前記の場所で駅側から吉田駅長、板橋助役外関係者があつまり

大供養 を行つた、ラツシユアワーの終りぎはのことゝて物見高い見物でホームは一杯になつた

東京日日新聞 1930(昭和5)年11月26日(水)夕刊

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東京駅のホーム付近にある鉄塔の下で墓石が発見された。発見場所周辺では近年、駅員が轢死する事故が続いており、駅長は供養をしてもらおうと言っている。 [続きを読む]

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